2006年 10月 21日
【映画】容疑者 室井慎次
テレビで観ました。
とても面白かったです。(。・v・。)=3

どしてここんとこ、こげに面白かもんに出会うんかなー、と不思議に思ってしまうぐらい、良き出会いが多いです。
色々なものを自分の中で燃やし尽くして昇華したら、新しいものがどんどん吸い寄せられるように集まってきて、自分がまるでスポンジのよう。ぐんぐん吸い込んでいます。
これまでいかに自分が閉じていたか、痛感する日々です。



この映画、えらいまっすぐなひとが多いなー、と思いました。室井さんが主人公なんだから当たり前なのですが。(笑)
テーマは「勇気」。
不器用なほどまっすぐなひとが、いかに勇気を失わず闘い切るか、闘い切った後に何があるのか、それがこの映画の主題だと思います。

勇気を持つ事は素晴らしいことなのですが、時として鋭利な刃物になることがあります。
それは、勇気が勇気としてではなく、「覚悟」として機能したときじゃないかと私は思っています。

すごく際どい発言になりますが、大学時代の恋人が自殺してしまったのは、確かに室井さんのせいかなと思うんです。
いや、室井さんのせいじゃないです、だけど、室井さんのせいなんです。論理がめちゃくちゃですけど。

最近知人が「ひとを好きになるって、覚悟があるかどうかだと思う」と言ってくれました。
でもその言葉を聞き、わたしは違うんじゃないかなと思いました。
それは彼が今持つ真理だから、それを反論するつもりはなくて、だからその場では何も言わなかったけれど。
私自身、「覚悟」というものは、終焉と結びつくものではないかと思っています。
決別、辞職、死。覚悟を持ったひとは、必ずと言っていいほど、そういう道にたどり着きます。(室井さんもそうなりがちです。死んだ勇気は覚悟になりやすいから。ちなみに勇気を捨てると執着になります)
たぶん、全てに対して覚悟を持って臨んだら、この世に生き残っているひとはいません。覚悟と勇気は別物です。
覚悟は美しいけれどかっこいいことじゃない。勇気は美しくないけれど、かっこいい。そんな風に思います。

室井さんは過去の出来事からそういうことを学んでいるんじゃないかなと思うんです。
だから「わたしが彼女を追い詰めた」と語ってる。
確かに追い詰めてるんです。彼女を好きで愛することに、覚悟なんていらなかったのに、自分の未来をかなぐり捨てなくたって、彼女が死んでいく姿を見守って行く選択肢だってあったのに。それはとても恐ろしくて難しいことで、出来なくて当たり前のことだから、室井さんはちっとも悪くないけれど(室井さんのせいじゃないけれど)。
大学を辞めて看病するだなんて、僕が一緒に死ぬよ、そう言ったことに等しいです。だって見るからに夢で生きてるようなひとじゃないですか。なのに僕の心も一緒に死んであげるから安心してだなんて、そんなの愛じゃない。
ただ怖かっただけなんです、一人取り残されることが。最後まで一緒に生き抜くことが怖い、君がいないと僕は生きて行けないから君に自分の命を預ける、そう告げたことに等しいです。
大好きなひとが貴女のために死にますなんて言ったら、そんな迷惑をかけるぐらいならってどうしても思ってしまいます。
一緒に生きていくのに必要ないの、覚悟なんて。

ひとは弱いから、死ぬのはとても怖いことです。
これはわたしの想像ですが、彼女はきっと、死んで自分が忘れられることはとても恐ろしかったと思うし、だから忘れないでと望むことにも罪悪感があったんじゃないかな。わたしがこうやって死んだら彼はわたしのことを忘れられない、なんて酷いことをするんだろう、だけど忘れて欲しくない。そういう気持ちがどこかしらあったように思います。
自分はどうせそのうち死んでしまうのに、相手の未来の邪魔をすることも怖かった。怖くて怖くてたまらないのに、それを望む自分の弱さを思い知ってしまった。
だから逃げちゃったんだと思うんです、色んなことから。そうじゃなきゃ自殺なんかしない。

覚悟なんか決めずに、ちょっとだらしなくてルーズ、ぐらいの方が長生きするんです。
真面目に生き過ぎると、全部が全部終わってしまいます。後に残るのは傷。
わたしはあのエピソードに全く感動していなくて、彼女は本当に室井さんが好きだったんだなぁなんて微塵も思わなくて、弱かった彼女と、その弱さを支えられなかった未熟な室井さんがいたんだな、と思いました。

だから田中麗奈の役にとても共感しました。
彼女は「室井さんのせいじゃないですよ」って下手な慰めを言わないし、室井さんに「ありがとうございます」も言わないし、最後に「わたしが喫茶店で泣いたのは、室井さんに感動したからじゃないです。たくさん話してくれたからです」って言うんですよね。
あれ、すごくよく気持ちが分かります。
昔の自分だったら、「本当に彼女のこと好きだったんですね、でも室井さんは悪くないし、彼女だって恨んでないと思います」なんて安っぽい感動をしていたと思いますけど。

踊る大走査線の世界観における警察は、覚悟の塊です。
覚悟があるのないの、責任取るの取らないの。署長ら3人衆でコミカルに描くこともあれば、上層部の権力争いで醜く描く手法も取ったり、様々な表現方法で主張しているように思えます。
室井さんは青島という勇気の塊に出会い、覚悟の波に揉まれながら、不器用だから覚悟に傾きそうになりながら、必死に勇気を掴んで行くキャラクターです。
改めてかっこいいなーって思いました。

責任なんか取れませんよ。特にひとの命には。
ひとを救うことに覚悟なんか要らない。自分の弱さを認めて謝る勇気があるから、ひとは生きていける。

それにしても、室井さんにしろ、他の男にしろ、ほんと純粋そうな女性に騙されるっていうか、、、見抜けないんですね、、、。
あ、き、ら、か、に!
出てきた段階で、目を見た段階でおかしいじゃないですか、あの女。桜井杏子!
明らかな純情路線なんてね、作られたものに決まってます、決まってるんですよ!幻想に惑わされるなー。もっと真実を見つめろー。

だって純粋培養なんて危ないじゃないですか。免疫低いったらありゃしません。
人間汚れや傷があってナンボですよ。
わたしは使い込んだ木の家具のあたたかみが大好きです。
プラスチックの新品なんて、買った当初しかわくわくしないですもん。
汚れのない新品にあるのは可能性であって、それが全てじゃない。なのにどうして男性はどこか無機質的に透明な、無垢な子を好むかな!(笑)

「ときめくものに囲まれて、わたしはまいにち恋をする」なんてうたっていますけど、それは別にまいにち新しいものにどんどん乗り換えていくことではないです。
当たり前のようにそばにあるものに、まいにちまいにち恋をするってことです。
飽き飽きしたりうんざりしながら、それでもまいにち新しい気持ちに出会って恋をする。

わたしにとって、ひとを好きって気持ちは、そういうことです。
うんざりしながら、怖いと思いながら乗り越えて、新しい面と出会っていく。
ひとは果てしない宇宙だから、ほんとうに限りない海だから。どのひともみんな、面白いです。
「飽きちゃった」なんて、知ろうとしてないだけです。ひとの魅力は尽きない。成長していくものだから。
弱いから、情けないから、愚かだから面白いんです。このひとはどんな風に変わっていくんだろうと思う。自分自身に対してもそう思います。

8年間付き合っている彼女がいるという男の子に聞きました。「その彼女ってどんなひと?」
「うーん、、、色々な面があって、うまく説明出来ないです」
すてきだなぁと思います。彼はきっと、その彼女のことをよく知っている。

来週『弁護士灰島秀樹』があるみたいですね。私予定があって観られない、、、とても残念です。しょんぼり。
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by seika79 | 2006-10-21 23:32 | レビュー


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