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2007年 08月 21日
CS3 Video Workshop(6)~各種連携機能~
最終回は各種連携機能について。

CS3は、Macromedia社がADOBEに買収されて以降、初のVerUPであり、ADOBE史上最大の製品リリースとPRで謳っています。
そう謳うだけのことはあるというか、とにかくリリース数が半端なくて、とりあえず全製品CS3って名前で揃えてみましたってぐらい、総入れ替えの印象です。(CSファミリーから外された製品はCS3と名はついていないものの、地味にVerUPしていたりするものもあります)
そして名前だけの変更ではないことはこれまで書いてきた通り。(たいしたこたない、かつ分かりづらい文章で恐縮ですけれども)
加えて一番の目玉はなんと言っても旧Macromedia製品と従来Adobe製品との連携機能。これは買収なくして実現しえなかったことです。

Macromediaと言えばWeb製品のスタンダードアプリを網羅しているような会社でしたから、主にWeb業界への恩恵を意味します。
さて、前ふりはこの程度にして、本題にいってみます。



・Photoshop→Flash、Illustrator→Flash
 レイヤー状態を保持、テキストはおろか、各種ベクターデータのパス、透明度、
 オーバーレイ等の描画モードが再編集可能な状態で
 インポート出来るようになりました。
 わたしはFlashをまるで触ってこなかった人間ですが、
 これがどんだけ涙ちょちょぎれる機能か少し考えただけでも想像がつきます。
 ちなみに、どちらかと言えばイラレとの親和性が高い印象あります。
 インスタンス名の設定など、Flash用のプロパティもイラレに追加されているからです。
 しかもフォトショのレイヤースタイルが再編集不可(たぶん。今のところ編集項目が
 見当たらないので)なのに対し、イラレの効果(ドロップシャドウ等)は
 Flash上のフィルタと連動します。
 あとコピペでオブジェクトを移行出来るのもイラレだけみたい。
 (フォトショはドラッグ&ドロップで移行可能)
 次はフォトショのレイヤースタイルも再編集可能にならないかなぁ。
 それからFlashオブジェクト選択→Photoshopを起動、素材再編集で置き換え、
 なんてことが出来るようになった日には夢のよう。
 現状でも十分夢のようなんでしょうけれども。

・Photoshop←→Dreamweaver
 PSDが読み込めるようになりました。
 ・・・はっきり言って、それだけ。
 かなり期待していたのに!むー。期待外れです。
 何を隠そう、スライス情報を連動させることが出来ません。
 なんだよそれ~!ふざけるなぁ~!
 連携機能が聞いて呆れるわ、、、。(‐_‐)
 ドリへの移行は、フォトショ上でのコピーで移行する、
 もしくはPSDファイルを読み込む方法が用意されています。
 コピーを行う場合は、対象は単体レイヤーか全レイヤーかの二種類のみ。
 単体レイヤーコピーに至ってはテキスト・グループは不可、
 マスクは無視となっています。
 PSDで読み込む際も、トリミング範囲をひとつ決められるだけ。
 しかもその情報は保持出来ません。
 JPEGやGIFは非可逆圧縮。しかもトリミング枠の情報(要するにスライス情報)も
 保持しない手法を、いったい誰が活用するのでしょうか。
 ADOBEってもしかしてFlashが欲しかっただけ?
 この待遇の差、いったいなんなんでしょ、、、。
 事実上の業界スタンダードソフトを引き取った訳ですから、
 ちゃんと責任持って欲しいです。
 次回VerUPの際はぜひとも、フォトショWeb用に(HTML+画像)保存→ドリ自動起動、
 ドリ上イメージからPSD起動可能、イメージ編集後再配置で置き換え可能にして欲しい!
 今のところドリとの親和性はFireworksの方が高いです。
 さすが旧Macromediaファミリー。

・Photoshop→Fireworks
 レイヤーグループ、レイヤースタイル、描画モードなどの機能がシンクロ、
 再編集可能な状態でインポート出来ます。
 親和性が非常に高くなりました。
 なんかこう、ドリだけ冷遇されてますよね、やっぱり。

・Device Central
 携帯エミュレーターです。
 携帯エミュと言えばフリーのものをえっちらおっちら使っていた印象がありますが、
 その手のフリーソフトと比べると雲泥の差。
 今出回っている機種ラインナップを網羅していて、尚且つFlashの動作まで
 エミュレーションしてくれるっていうんですから、モバイルコンテンツを作っているひとは
 重宝しそうです。
 特に各機種仕様表示、比較一覧、検索機能は秀逸。
 これだけでも使う価値があるのではないかと。
 各アプリとの連携機能もよく出来ているなぁと思いました。
 あと、あまり使わないような気がしますが、
 画面の反射率のシミュレーション機能までついています。
 室内のガラスとか、屋外の空とか画面に映り込むの。(笑)
 こういうのってなんか楽しい。

・Bridge+Camera raw
 Bridgeというのは、ざっくり言うとファイルビューワー。
 (厳密に言うと違いますが、ここでは割愛)
 Winの場合、PSDやAIファイル等もサムネイル状態で
 プレビュー出来るところに価値があります。
 エクスプローラーでは基本プレビュー出来ないからです。
 でも結構重いんですよねぇ、、、さすがADOBE。
 わたしの環境では起動に3秒ほどかかります。ビューワーのくせに、、、。
 わたしの場合、一番役に立つのはAIデータの参照。
 カタログデータなどは数十枚構成なのでプレビュー出来るのはありがたいです。
 (全ページ表示確認するのに30分とか1時間とか、昔はかかってましたからねぇ、、、)
 でもビューワーとしてはほんと自由度低いなーと思います。
 沢山機能がついていますが、いかんせんADOBEクローズド。
 エクスプローラーからのドラッグ&ドロップにさえ対応していないなんて、、、。
 ワークスペースがカスタマイズ可能とか、そういう話じゃないんだって。
 ただ、エクスプローラーにはない強みもあります。
 やっぱりなんと言ってもCamera rawでしょうか。
 Lightroomライクなレタッチツールで、かなり優秀です。
 ただBrigeを経由しないと起動出来ないのがひっじょーに不便、、、。
 ショートカットする方法はあるのでしょうか。
 Lightroomを知ってしまうと不満点が目立ちます。
 細かく見ていくと、Brige+Camera rawの方が優秀な部分もあるにはありそうですが、
 総合点としてはLightroomの方が上という印象。
 まぁLightroomは単体販売製品ですから、差があって当然かなと思います。

ここでWeb屋としての結論を。
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Webデザインワークフロー
各アプリでパーツ制作→イラレで各パーツを配置、全体デザイン制作→フォトショかFireworksでスライス
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Flashワークフロー
イラレでデザイン制作→Flashで制作
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結局従来のワークフローとさほど変わっていませんが、各移行が依然と比べて段違いに効率化出来そうです。

以上、長々とADOBE祭りでした。(たぶん誰もついてきてない、笑)
だいぶ機能について理解が進んだので、後は習うより慣れろ、実践あるのみ!
そうそう、このVideo Workshop、オンライン版があるようなのでご紹介。
結構分かりやすいので、見てみるのも勉強になっていいかなぁと思います。内容はかなり実践的です。

by seika79 | 2007-08-21 16:36 | レビュー


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