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2009年 11月 19日
恋の想い出 宝石箱
わたしの好きなうた

僕たちが恋をする理由
http://lyric.kget.jp/lyric/zl/hh/

この曲を聴くと 思い出す気持ち
冬の薄暗い部屋の 白く曇った硝子の情景



夕暮れどきが好きなのは
あのひとと 黙って眺めてた記憶があるから

音をね、聴くの ただ、聴くの
「ふぅん、、いろんな音、するね」
うん
葉のざわめき 車の走る音 電車の音 子供の笑い声
「はは、ちびっこ、こけた」
気を許した友達のように笑い合う

二人乗り自転車で坂道を風切って走る
わたしは目をつぶって 彼の背中のぬくもり 感じてればそれで良くて
ねぇ、寒いでしょって マフラーをかけた
「聖ちゃんは、優しいなァ」
ううん、きみの方が優しいよ

静かなとき
苦手なコーヒーの香りを いい匂いだ、と思った
「聖ちゃんのために、淹れてあげよう」
しんしんと冷える夜
薄暗い部屋の中、豆をひく音が心地よくて
「こうやってお湯を注ぐとね、ふわっと、膨らむでしょう、これはね、豆が新鮮な証拠なんだよ」
ふぅん
「一度、待つの。そうすると香りがよく出る」
肩に頬のせて 彼の仕草をただ眺める
幸せのとき

知らないの?わたし、コーヒー好きじゃないのに
美味しいって 思って
ここはあたたかな家だ、と思った

ふとんの中で くすくす笑う
「いいの…?」
「うん、いいよ」
駄目な理由がなんにもないよ
ああ 何度でも 女は初めてに戻るんだ
どんなに間違えても 間違えても
愛する人と結ばれれば
これまで生きてきた穢れが 拭われる瞬間

「聖ちゃんは、オイラを癒すねぇ」

わたしを抱きしめて つぶやく
なにするでもなく、ただ抱きしめられただけ
わたしが生きてきた中で 一番癒された言葉だ

絡めた指を
触れるぬくもりを
ぜんぶ感じ取って
大切にされるって こういう、こと?
「俺、上手じゃない、ごめん」
そんなこと、ないよ
こんな深い喜びを 海のように 深く 深く 感じてる
ゆっくりと とろけるように

「大丈夫?大丈夫じゃないねぇ」
泣いてるわたしをからかうように笑って慰める
「手、ね、ずっと繋いでたのが、嬉しかった」
わたしはそれ以外もぜんぶ 嬉しかった

夕暮れどきが好きなのは
あのひとと 黙って眺めてた記憶があるから

恋の想い出 宝石箱
ただの幻想かもしれない だけど
4年も経って 初めて心から正直になる
わたしは世界でいちばん きみが好きだった

by seika79 | 2009-11-19 20:30 |


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